第15章 東京卍リベンジャーズ・黒川イザナ
「…なぁ、蘭……何かいい仕事知らないか?」
その夜
アジトに顔を出した蘭がリビングのソファに腰を下ろすと
イザナがすぐ隣に座ってきた
「仕事?」
「…オイ、デカい声出すな」
慌てたようにそう言って、レイナの居るキッチンの方を見る
「…クスクス……何、大将…姫にはナイショなの?」
「……あぁ……なるべくな…」
「………まとまった金が要るなら、都合つけるけど。…幾らくらい?」
「いや、そういうんじゃねぇ…」
「?」
首を傾げている蘭に
イザナは少しバツが悪そうに言った
「……アイツに……指輪、買ってやりてぇんだ。…だからテメェで稼いだ金じゃないと意味ねぇ。………仕事も…なるべく真っ当なモンがいいんだが……まぁ、そこまで我儘は言わねぇよ」
「……………ウ…ソ………でしょ……………っ…大将ォォ〜〜」
「…な……オイ蘭、離れろ…」
瞳をウルウルさせて抱き付いてきた蘭を、イザナは必死に押し返した
『……クスクス……何ふざけてるの2人で。…晩ごはん、出来たよ?』
その声にハッとしてキッチンの方を向くと
レイナが笑いながら自分達の方を見ていた
「わ、いい匂い♪お腹空いたぁ〜…ね?大将」
「……ぁ……あぁ…」
『今、そっちに持って行くね。…テーブルの上、片付けてくれる?』
「分かった〜」
蘭は機嫌良く返事をすると、リビングのソファの前に置かれた大きなテーブルの上にある物を片付けはじめた
「……大将、任せて。…すぐにまともな仕事手配するから」
手を動かしながら小声でそう言うと
蘭は心から嬉しそうに微笑んだ