第1章 プロローグ
結果的に言うと、交渉は成立。
「あの社長が…」
「くっ、乗せられてしまった」
「それから証言はばっちりですので」
「貴様!」
脅迫を脅迫で返してやった。
この私を脅そうなんて甘すぎるわ。
お汁粉に生クリームをトッピングするよりも甘い。
「それから八乙女社長が執事喫茶に来た写真もSNSにアップする準備もばっちりですので」
「腹黒の執事か!」
「人を呪わば穴二つ。まぁ短い期間ですが仲良くしましょうね?」
こうしてパトロンが決まり、私的にはウハウハだった。
「マスター、万一の時はこの写真をネタにしてマスコミに売りましょう」
「いいカモです」
「「……」」
放心する二人は我らの本性を知って真っ青になる。
「社長…不味いんじゃ」
「言うな!今さら言っても遅い…何より日向の後釜が必要なんだ」
「そうですが…」
こうして私は八乙女プロダクションに曲を提供する事となるのだった。