• テキストサイズ

私ただの執事でございます!

第1章 プロローグ





今日もお嬢様に癒しのひと時を送る時間がそろそろ終わる。

「聖さん、そろそろ店じまいでしょうか?」

「まだ時間はある。もう少し様子を見ようか」


このフットマン達に指示をしながら外を見ると雨が降り始めて来た。

「雨が酷くなりそうだね」

「はい」

小雨だった雨が酷くなり雷が鳴りだした。

その時だった。
雷の音と共に証明が消えてしまう。


「どうしまよう!停電ですか?」

「慌てるのではありません。執事たるもの常に冷静でいなさい」

慌てる執事見習いにフットマンに落ち着かせるように言うと、すぐにブレイカーは元に戻る。


…が。


「ひっ…出たぁぁぁ!」

「何ですか!」


他のフットマンが大慌てをするも。

「お客様!無礼な!」

私の補佐の有利が止めに入る。


「お帰りなさいませご主人様。どうぞタオルを」

「は?」

「フットマンが無礼をいたしまして申し訳ございません、そちらのお嬢様も上着をお預かりいたします」

「え?お嬢様?」


中年ぐらいの男性と、長身の女性(男性)に声をかける。


「執事喫茶、LOYAL GARDENへようこそ」

「執事喫茶だと」

「まぁ、始めて来たわ」


この雨なので、雨宿り代わりに来られたのだろう。
ならばひと時でも楽しんでいただこう。

「音楽を」

「はい」

パチン!

合図を送り、他の執事達に生演奏をさせる。
その間にお二人を暖炉の傍に案内して温かい紅茶を用意する。


「失礼いたします。こちらハーブティーでございます。まずはお体を温めください」

「コーヒはないのか」

「いいえ、ございますが…お体が冷えているようですので。こちらメニューになっております。ノンアルコールはこちらになります」

「車で来たって解ったの?」

「はい、お荷物と…お洋服の濡れ具合で」


後は車特有の香りで解った。
この程度は執事ならなんてことはない。


/ 51ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp