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愛欲♡【呪術廻戦】裏夢 短編 R18  

第2章 密事〜禪院直哉〜


私の名前は加茂みやび。

御三家、加茂家の娘。

加茂家相伝の術式を継いで生まれてきた。

だけど、女は当主になれない。

女はどこかいい家に嫁がなくてはならない。

だから子供の頃から花嫁修行をさせられた。


父はウチと同じ御三家の禪院家当主と仲が良かった。

私もしょっちゅう父に連れられて禪院のお屋敷へ行っていた。

そこには直哉くんという跡取り息子がいた。

この直哉くんという男は性根が腐っていた。


「みやびちゃん、しっかり覚えとき。女は男の3歩後ろを歩くんやで。3歩後ろを歩かれへん女は背中刺されて死んだらええ。」

子供の私にこういう事をよく言っていた。

「うん。私は直哉くんの後ついていくね。」

こう言えば直哉くんが喜ぶことはわかっていた。

「みやびちゃんはホンマに可愛いなあ。ほら、おいで。」

直哉くんはよく私を抱きしめたがった。

「はーい。」

私は嬉しそうに走って直哉くんの胸に飛び込む。

そうしないと、髪の毛を鷲掴みにされて引き摺られるから。

この頃の私はまだまだ弱く、年上の男に逆らえるような力はなかったから。

だから直哉くんの言う事を聞くようにしていた。


私は思った。


いつか、この男のサラッサラの金髪を鷲掴みにして引っ張ってやろうと。


「みやびちゃん、ホンマ可愛いわあ。」

そう言うと、直哉くんは私の顎をクイっと掴んでキスをした。

びっくりして直哉くんを見上げたまま固まってしまった。

不敵な笑みを浮かべながら私を見下ろしていた直哉くん。

「どないしたん?キス、嫌やったん?」

言葉にされて実感した。


私、キス……されたんだ。


まだ子供だった私は怖くて震えた。


直哉くんは相変わらずニヤついたまま私を見てる。


目に涙が溜まる。
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