第9章 風邪引き彼女 ~黒子~
-保健室-
ガチャッ
どうやら保険医の先生がいないらしく
保健室の中はシーンと静まり返っていた
「さん、とりあえずベッドに横になっていて下さい」
ふらふらと倒れそうになるさんを支えて
ベッドに寝かせる
「すみませんさん.....」
「え?」
突然謝りだした僕に
さんが驚いたように目を見開いた
「僕がもっと早く気づいていれば、あなたに辛い思いをさせる事もなかった筈です....」
俯く僕にさんから不意打ちのキス
「さん?」
「私ね?そうやって私のこと1番に考えてくれるテツくんがいるだけで、しあわせだよ?」
さすがの僕も
彼女にここまで言われて黙っているわけがないです
僕だって男なんですから
「さん、キスしても.....いいですか?」
「え、でもテツくんっ、風邪うつっちゃうよ?」
「好きな人を前にしてそんな事気にしていれませんよ....それに.....」
「それに?」
「さんにキスしてうつされる風邪なら、別に嫌じゃないです」
「テツくんっ///」
僕がキスする3秒前、
最後にしっかりと見た君の顔は
熱のせいなのか、それとも僕のせいなのか
分からないくらい真っ赤になっていて
ちょっとだけ、
僕は君に愛されてるって
自惚れてもいいのかなって思ってしまいました......