第5章 隣の席 ~黒子~
目が覚めたら隣に君がいなくて
廊下に君の姿を見つける
あ、
青峰くん....
廊下に出て、青峰くんと楽しそうにはなす君を見ていると
胸が締め付けられるように痛くて
「おー、テツ!!よく寝てたなー」
けらけらと笑いながら僕に手を振る青峰くん
「おはようございます」
ぺこりとお辞儀をして2人に歩み寄る
「おはようテツヤ」
優しく笑って僕を見てくれる君が愛しくて堪らない
「さん、僕はどれくらい眠っていましたか?」
「1時限目からだから...2時間くらいね」
時計を見ながら君が言う
ただそれだけなのに綺麗で見惚れてしまうのは
僕が君を好きだという証拠なのかもしれません
キーンコーンカーンコーン
「お、予鈴だ。じゃあまたなテツ、」
青峰くんが帰って僕達も席に着く
あぁ、また....
席についてそんなにたっていないのにうとうとしてしまう
力がぬけて机に突っ伏す形になってしまった
隣から君の小さな笑い声
「テツヤ、もう少しだけ寝たらどう?」
僕の頭を撫でながら君が微笑みかけてくれる
それだけで幸せなのに
もっと贅沢なことを望んでしまう僕はワガママですね
「さん....」
「なに?」
「手を握っていてくれますか?できれば...僕が起きるまで」
一瞬驚いた顔をする君
でも少ししたら微笑んで
「もちろん」
手に感じる君の温かさ
クラスメイトに見られるかもしれないなんて感じながらも
甘えさせてくれる君の優しさ
大人びてはいるけれど
僕を1番に考えてくれる君は
隣の席にいる
僕の1番大切な人