第2章 悪魔と出会う。【リヴァイ】
《あ、あの…!大丈夫ですか…?お医者さん呼んで来ましょうか…?》
「あ゛ぁ゛?何言ってんだテメェ…。」
悪魔の話す言葉は理解できなかった。
コイツ本当に悪魔か?(違います)
悪魔は自分の持っていた鞄から何かを取り出し、
絵を描き始めた。
絵とリヴァイを指差し、また何かを言った。
“?”は解るが、後の二つの絵が全くわからない。
コイツはこんな姿の俺を馬鹿にして楽しんでいるんだとリヴァイは思った。
目の前の悪魔を睨みつける。
怪我さえしてなければぶん殴ってやるのに。
悪魔は再び絵を描き、また絵とリヴァイを指差し、何か言った。
リヴァイは絵をしばらく睨んでいると、悪魔が言いたい事がわかった。
馬鹿にしているのではなく、尋ねているのか。
しかし…、
俺の住みかを教えろ、だと?
此処は地下街。
毎日が犯罪なんて当たり前の様な場所だ。
住みかを知られるということは危険が増えるということだ。
簡単に教えられる訳がない。
悪魔はリヴァイの腹を見て、ギョッとしたかと思うと、着ていた上着を脱ぎ、リヴァイの傷口に押し付けた。
う゛…っとうめいたが、悪魔は涙目でオロオロしていた。
…コイツにならいいか。
普段のリヴァイなら有り得ないが、なぜかそう思えた。
こんなヒョロヒョロ女が何かしたってすぐに殺せるからだと自分に言い聞かせ、自分の住みかの方角を指差し、悪魔に支えられながら歩き出した。
悪魔の様な女は、俺にとっては天使らしい。
END.