第2章 悪魔と出会う。【リヴァイ】
「チッ、汚ねェ…。」
今日はいつも道り雑魚にケンカを売られて買い、当然リヴァイの圧勝だった。
返り血を浴び、気持ち悪いので早く住みかに戻りたいと思い、蹴散らした奴等に背を向けたのが悪かった。
「う、うぁぁああああ!!!」
「っ!?」
一人の男が叫びながら背後からナイフで突っ込んできたのだ。
反応して振り向くが、次の瞬間腹に強い衝撃を受けた。
すぐさま男を蹴飛ばすが、もう既に遅い。
リヴァイの腹からはトクトクと血が出ていた。
このままでは他のゴロツキに狙われる可能性があると判断したリヴァイは、その場から離れ、細い路地に入っていった。
腹を押さえてヨロヨロと力なく歩くが、腹の出血が先程から全く収まらない。
息も上がってきている。
歩くのを止め、ドサッと座り壁に身を預ける。
本格的に頭もフラフラしてきた。
死ぬかもしれねェ…。
そう考えた時、フッと視線を感じて目を向けた。
何かと目が合った。
自分と同じ黒の髪を持った女。
すぐに女は物陰に隠れたが、リヴァイはそこを見続けた。
東洋人か…。
服も髪も目も黒い女は肌だけが白くて、リヴァイは悪魔の様だと思った。
死に際に来るのが天使じゃなく悪魔だということに自分らしいと少し愉快になった。
ヒョコッと再び顔を出した悪魔と目が合う。
そんなに見て何が楽しいんだ、と思いながら悪魔から目を剃らした。
腹の感覚が曖昧になったころ、悪魔がリヴァイの目の前でしゃがみ、口を開いた。