第5章 潜入 ★
シ:「赤井くんからも今朝、同じことを頼まれたよ。私が話したかったのは、その事だ」
『赤井さんから?』
シ:「ああ。あの赤井くんにしては、珍しいとジェイムズも言っていたよ。それだけミアのことが大事なようだね、彼は」
『私だけじゃないと思います。赤井さんは、零さんも私も含めた組織に深く関わる人たちをこれ以上、亡くしたく無いと言われていたので』
シ:「それは、私も同じ気持ちだよ。ミア。絶対に私との約束は忘れないでくれ。その為にも、赤井くんからの依頼に私は全面協力するのだから」
『ボス…本当にありがとう』
シ:「しかし、もう1人のPrinzも、なかなかだね。彼が立てている作戦は非常に計算されているが、どこか外部の協力を得たく無い雰囲気を感じるね。というよりも、赤井くんの協力をかもしれないが」
『何かご存知ですか?』
シ:「いや、直接は聞いていないよ。ただ、彼らの様子を見ているとね。降谷くんもプロだからヘマはしないだろうが、少し気になるね。誰かさんを見ているようで」
ボスは私の頬にそっと手を添えて、心配そうな表情をする。その瞳は「君のことだよ」と言っているようだ。
『私なら、大丈夫です』
シ:「時々、猪突猛進になるから心配なのだよ」
『ボス、私は純粋なんですよ…』
昨日、赤井さんから言われたことを私は思い出す。こんなすぐに、ボスに言うことになると思っていなかったが、すぐに赤井さんが言っていた通りにボスへ返事をする。すると、ボスは心配していた表情を笑顔に変えて、予想をしていなかったことを私に告げてきた。
シ:「はは。これはこれは…失礼した。赤井くんも言っていたよ、君は純粋だって。それは見誤らないでいただきたいとね」
『赤井さん…』
シ:「ミアは愛されているね」
『仕事仲間としてですから!』
私は、赤井さんがボスに取った言動を嬉しく思いながらも、その気持ちを隠すようにボスから目を逸らした。
シ:「まぁ君のため息が無くなって、私は安心しているよ。期待しているよ、ミア」
そしてボスは私の肩を軽く叩いた後、部屋を出て行った。