第3章 マネージャー
みんなそれぞれ帰って行き、部室に残っているのは私と宍戸だけとなった。
宍戸とは2年の時に同じクラスになり、仲良くなった。
菫「ねぇ、宍戸。」
宍戸「なんだ?」
菫「なんでマネージャー、私なのかな?」
宍戸「え…嫌なのか?」
菫「嫌じゃないけど!でも、どうして景吾は私を選んだのかなって…」
宍戸「まぁ跡部だけで選んだわけじゃねえが…信用できっからだろ。」
菫「信用?」
宍戸「自分で言いたきゃねえが、俺たちレギュラー陣ってけっこう人気あるやつが多いだろ?」
菫「うん…」
宍戸「だからマネージャーを募集したとしても、希望者はとんでもねえ数になるってことが容易に予想できる。」
菫「だろうね…」
宍戸「だから俺たちで選ぶことにしたんだ。そこであがったのがお前の名前だよ。」
菫「私?」
宍戸「花城なら男目当てで入ったりしねえし、俺たちの中で仲がいいやつもけっこういる。なにより、あの跡部にも遠慮なく意見できる。」
最初のは心に突き刺さるな…
宍戸「そういうわけで、マネージャーにピッタリだったんだよ。」
菫「なるほどね…」
宍戸「ま、何かあったら俺たちに相談しろ。みんなサポートしてくれるはずだ。」
菫「うん、ありがとう。」
宍戸「おう。じゃあ、鍵よろしくな。」
菫「まかせて。じゃあ、また明日。」
そうして私たちは部室を後にした。