第11章 紅の出張
「タオル、巻いてもらって良いでしょうか…」
水を取りに行くのも、冷房を付けに行くのも、オレに寄り添ってくれるのも、ずっと裸のままでしてくれる零に弱々しく苦笑いをした
急いでくれたのは嬉しいんだけど、すっぽんぽんでびしょ濡れのままでいるのはどうかと思うんだ…
「一緒に温泉に入ってたんだ、今更だろう?」
それはそうなんですが、床も濡れちゃうし、室内で裸というのは目のやり場に困るといいますか、なんといいますか…
「その…恥ずかしい?というか、期待しちゃう?というか…なんかこのままだと、のぼせた熱が下がりそうにないです…」
「……!」
クラクラしながら更に熱さを感じ、真っ赤であろう自分の顔を両手で隠した
「叶音、すまない…」
え?と隣りに寄り添う零をチラりと見ると同じく赤くした顔を両手で隠してたんだけど、なんで照れてるの?と思ったら、零の零さんが元気にこんにちはをしていた
「もうっ!早くタオル巻いてっ!」
あー…ダメだ気持ち悪い…
零には悪いけど、動けそうにないから少しこのまま寝かせてもらおうと思う
これから運ばれてくる夕飯も楽しみだし、今日はもうずっと零と2人きりでいられる
それを考えたらいつまでもこんなフラフラな状態でいる訳にもいかないもんね!
それからは、やっとタオルを巻いた零に氷枕を作ってもらってゆっくり目を閉じた
今日は色んなことがあったけど、零と一緒に京都に来られて良かったと思う
今度また来る時はオレも元の姿に戻って、2人で肩を並べて歩けたらいいな…
━11章END━
おまけ
ピンポーン♪
風見「降谷さん!リュウさん!ウノやりましょう!」
部下B「天使相手でも手加減しませんからねっ!」
リュウ「ウノやる!言っとくけどオレ強いからねっ!」
部下A「すいません降谷さん…」
降谷「………。」
夕食を済ませ少し経った後、リュウの部屋で夜通しウノ大会が開催された
結局そのまま5人で寝落ち、朝一番に起きた降谷は座布団を枕に畳みに寝る部下達の姿に亡き同期の姿が重なり、クスッと微笑む
降谷「今日くらいもうひと眠りしても良いよな…」
リュウを抱き枕にする様に包み込み、頬を寄せて眠りに付いた
少しして2番目に目が覚めた風見は2人のその姿を微笑ましくみつめていたとか…