第10章 ストラップの行方
「まずはこのタブレットからじゃ」
筆箱のような四角い箱を差し出され手に取る
「え、軽い!」
「そうじゃろ?超軽量素材を使ってるからのぉ」
長さ15cm、幅5cm、厚さ4cmといったところだろうか
タブレットで画面もついている筈なのに、なかなかの軽さである
「折りたたみ式になっておっての…」
この箱状の物を蛇腹に開いていくと、4分割されている画面が出てきて長さ15cm、幅20cm、暑さ1cmの画面1枚のタブレットへと姿を変える
蛇腹は勝手に閉じてしまうことなくしっかりと平面を保っている
「すごい…まったく普通のタブレットだよ!!」
「じゃろ?軽量にすると強度がなくなってしまうが、折りたたんで画面を内側にすることで保護ができる分、割れにくくなったはずじゃ」
しかもちゃんと衝撃に強いクッションケースまで付けてくれて、これなら観覧車のゴンドラから振り落とされてボディバッグごと背中を打ち付けても……って、もうそんなことは一生ないか…
でもホント、これならいろんな衝撃に耐えてくれそうだ
「中のデータは空っぽじゃから後は好きに弄ってくれ」
「はい!」
データやソフトは研究室の記憶媒体に保存してあるから、移し替えれば以前のタブレット同様に使える
今度はコンパクトに折りたためるから、バッグの中もスッキリしそうだ
「こっちのローラーシューズってのは?」
「ちと試作に近い所があるからのぉ、気を付けて使って欲しいんじゃが…」
玄関へと向かい、靴を履く
そして片足で立ち、上げた方の靴底に先程見せてくれたスティック状の物を1本縦に押し当てる
シャコン…ウィーン…
スティックが靴の形にフィットする様に伸びて靴を捕まえ、更に安定してそうな太めの小さなタイヤが4つ程均等に並んで出てきた
「スイッチを入れるまではタイヤは回らんからそのまま足を着いても大丈夫じゃ」
そう言われて足をそっと下ろした
そして反対側の靴の裏にももう1本のスティックを押し当てボタンを押すと、反対側と同じ様になった
「右側側面のスイッチを押すとロックが外れ、体重移動で加速と減速をするようになっておる。あとはローラースケートと同じ要領で滑りながら進めばコナン君のスケボーと同じくらいのスピードまで出すことが可能じゃ!」
……え、これ足首やられない!?
慣性の法則で倒れない!?
大丈夫なの!?