• テキストサイズ

Smile Bouquet

第30章 貴方を超えて




レティシア
「やった事はねぇが…きっと…フィピテオ!」


床に両手を付けてレティシアが呪文を唱えると、ルシアン達が彼女へ向けている両手から暖かい光がキラキラと溢れ出し…吸い込まれていく。


レティシア
(想像しろ…皆から貰える、それを…より明確に…!)


通信で繋がっているオリヴィアとソフィア、石から伝わるメディのマナ…ここに居る全員のマナがレティシアへと流れ、段々と魔力が回復していくのを感じる。

それだけでは無い、皆の思いも伝わる様な感覚に…レティシアの心は勇気づけられる。


その場に広がっていた光が収まるとルシアン達は床に座ってしまう。



レティシア
「皆…!」

リアム
「大丈夫だ!…ぜってぇに捕まえるんだろ!」

ルシアン
「そうだ。だったら、気にするな…!」

ノア
「オレ達の代わりに…レティシア…!」

フェリックス
「任せたぞっ」


魔法は使わないとはいえ普段、宿していたマナが無くなれば少しだけ生命力を削られているのと同じだ。彼等の思いに応えたいとレティシアは力強く頷き、エドゥアルを見据える


エドゥアル
「終わったか?」

レティシア
「ぜってぇ…捕まえる!」

エドゥアル
「やってみなよ。…ゴズーラ」

レティシア
「フィピテオ…!」


エドゥアルの掌からは黒い光がレティシアの掌からは白い光が放たれぶつかる。
それは、あの日メディと戦った時と同じ光のものだった。だが、あの日とは違う強さが…レティシアにはあった


レティシア
「くっ…!」


徐々に黒の光が白い光を押していくのが分かる。
絶対に負けられない、それなのに…


『諦めるな…レティシア』

レティシア
「え…?」

ユリス
『仲間から借りた力だろ。諦めるな』


脳内に響いてくる…低くも温かい声はユリスのものだった。
聞こえるはずが無いのに、しっかりと届く懐かしく焦がれた人の声にレティシアの視界が滲む

ずっとユリスの様になりたくて追いかけ続けていた



/ 398ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp