第30章 貴方を超えて
レティシア
(教えて、ユリス…)
レティシアは首にかかるユリスのロケットペンダントをぎゅうっと握り、亡き父へと助力を求む。
ユリス
『レティシア、俺たち魔法使いが何故ぽんぽん魔法を使えるのか分かるか?』
レティシア
『…分からない』
ユリス
『万物にはマナが宿ってんだ。そのマナの源である結晶を、ゼフィランサスが管理してる。それがある限り俺達は魔法がぽんぽん使えんだ』
レティシア
『その、マナの結晶…が無くなったらどうなるの?』
ユリス
『魔法の威力や効力が薄くなる。けど、そん時は…万物に力を借りるんだ。万物っつーのは人とか木とか、何でもな』
5歳の時に教えてもらったユリスの言葉をレティシアは思い出す
レティシア
「万物には…マナが宿ってる…」
フェリックス
「…っ…そうか。全員、レティシアにマナを集めるんだ…!」
リアム
「マナを…?どうやってすか」
レティシアの呟きを素早く理解したフェリックスが全員を振り向く。だが、意味が分からない3人は首を傾げる
フェリックス
「万物にはマナが宿っているんだ。それをレティシアに集めれば…恐らく」
ルシアン
「少しでも勝機があるならやってみましょう」
レティシア
「皆…」
絶望に満ちていた空気が一気に明るくなる。
その時、ころんっとメディから貰った石がレティシアから落ちる
オリヴィア
『私達でも試してみるわ!』
ソフィア
『が、頑張り…ます…っ』
耳に届いたオリヴィアとソフィアの声にレティシアの口角がゆっくりと上がっていく
エドゥアル
「何やら始めるようだね…無駄な事を。少し待ってやるか…何をするのか気になるしね」
くすくすと口元を押さえて笑みを浮かべるエドゥアルは、攻撃をするでも無くただその光景を見詰めた。自分が勝つのが分かっているから、気にする必要も無いと