第29章 終わりにしよう
レティシア
(くそっ…怯んじまった…)
ぐっと奥歯を噛み締めたレティシアは1度、自分の頬を叩くと息を吐き出す
レティシア
「フェリックスとノアは一旦待機」
ノア/フェリックス
「分かった!/嗚呼」
レティシア
「リアムとルシアン…行けるか?」
リアム
「ったりめーだ」
ルシアン
「俺も行ける」
レティシア
「よし…っ」
片方の口角を上げたレティシアの声に合わせて3人が飛び出す。
リアムが左から近付き拳を頬や脇腹へと入れていき、ルシアンが右から背中に蹴りを入れ…正面から迫ったレティシアが踵落としをし3人が優勢に見えたが
エドゥアル
「残念…全部当たってないよ。…ゴズーラ」
リアム
「何…っ!?」
ルシアン
「ぐっ…」
レティシア
「うわ…っ」
エドゥアルが放った強風が3人を襲い思い切り飛ばされ、壁への激突する
フェリックス
「間に合わなかったか…」
ノア
「さっきより、早くなってる」
その後、何度も何度も魔力量を考えながらも体術で挑むが体力が削られるばかりで…5人はボロボロになりながら床に膝をつき、肩で息をする。
一方でエドゥアルは汗一つ流す事無く涼しい顔をして彼等を見ていた
レティシア
「はぁ…っは…魔力量、気にしながら戦うの…しんどいな…」
ノア
「本当…っ…でも、そろそろ…魔力量がやばい…」
リアム
「何しても全く当たんねぇ…」
ルシアン
「あいつは…魔力回復…しながらだしなっ」
フェリックス
「ここまで…魔力量が減ったのは、初めてだ…」
自分達は消耗しているのにエドゥアルは何の汚れも無い。
魔力量も殆ど使い切ってしまった事による焦り…。
レティシアは少しふらつきつつも立ち上がる
レティシア
「全部…使ってでも、…っ」
彼女の強力な魔力量を数字で表すのは難しいが、例えば普段が100とすれば、今は30程しか残っていなかった。
全部と言っても普段より圧倒的に少ない魔力量では倒せるかは分からないが…やるしか無かった
彼女のサイドを支えるようにしてノアとフェリックスも立ち上がる