第28章 大型魔獣と突然変異
リアム
「どっちにしろ…早く見付けて、早く捕まえよう」
レティシア
「嗚呼」
小さく頷いてから2人の間に特に会話はなく時間がゆっくりと流れる。
レティシア
「リアムとこうやって話す時間があると…最近思うんだ」
リアム
「何を?」
問われたそれにレティシアは1つ息を吐き出してから、唇を開く
レティシア
「…リアムの事が好きだなって」
リアム
「………は…?」
レティシア
「だ、だから…リアムの事が好きだって」
レティシアは徐々に恥ずかしくなってきて頬が赤くなり、リアムの肩から頭を離す。リアムは突然の事に頭が追い付かなくて返事に詰まってしまった。
彼女が自分を?そんな雰囲気を醸し出さなかったレティシアの言葉を理解するのには時間を有する
だが、次に紡がれた言葉で追い付くとレティシアの方に身体を向ける
リアム
「…っ俺も…レティシアの事好きなんだ。…いや、すげぇ好き」
ずっと抱え込んでいた想い。それを懸命に伝えようと、じっとレティシアの瞳を見詰める。リアムからの返事にレティシアは目を丸くしてから…嬉しそうに目を細めた
レティシア
「この感覚、久々だな…ありがとう。……ま、けど恋人とかそういうのは今回の件が終わるまでは分からんな」
リアム
「おい、縁起でもねぇ事言うなよ。…ぜってぇ誰も死なねぇよ」
エドゥアルとの戦いとなれば怪我人だけでなく、もしかしたら死人が出てしまうかも…それが自分かもしれないと、そう思ったレティシアは簡単に次には進めなかった。
だが、レティシアの少し弱気な言葉を拭ったのはリアムの力強い言葉だった。
レティシア
「そうだな。…生きてたら私をあんたの彼女にしてくれよ」
歯を見せて笑うレティシアは明るくも見えるが、どこか寂しげにも見えた。リアムは思わず腕を伸ばしてレティシアを抱き締める