第27章 彼女の地雷
レティシア
「んん…何だ…うるせぇな……」
リアム
「あれ、俺…」
ノア
「リアムくん!抜け駆け!?抜け駆けは良くないぞ!!」
リアム
「へぇ!?!?」
起きたばかりのリアムの肩を、ぐわんぐわん揺らして声を荒らげる。リアムは突然の事で理解出来なくて対応できない
ルシアン
「おはよう、レティシア」
レティシア
「ん…」
ルシアン
「コーヒー飲むか?」
レティシア
「うん…」
ルシアンはその返事に頷き優しく頭を撫でてからキッチンへ向かう。
ぽやぽやと半分眠りながらもルシアンの言葉に返事をするレティシアはどこか幼く見えた。朝が弱い彼女は昔からこうな為ルシアンはいつもコーヒーを淹れている。
その姿を見た事がなかったノアはリアムの肩から手を離して、しゃがんだままソファに座るレティシアを見上げつつ彼女の両手をとる
ノア
「おはよ、姫さん」
レティシア
「ん……はよ…」
ノア
「ぽやぽやしてて可愛い」
オリヴィア
「保護者くーん。軟派くんがお嬢に変態行為してるわよー」
ノア
「ちょ…手繋いだだけじゃないっすか!」
ソフィア
「皆さん、おはよう…ございます」
起きてきたオリヴィアの言葉にノアが、ばっと手を離して彼女に抗議する。だが、そんな事を気にしていないオリヴィアは1人掛けのソファに腰掛ける。
共に来たソフィアは挨拶をしてからルシアンがいるキッチンに向かう
ソフィア
「コーヒー、淹れるの…手伝い、ます」
ルシアン
「嗚呼、ありがとう。…ノアは…大丈夫そうだな」
コーヒーを待っている間にそれを確認したルシアンは再び視線を戻し、ソフィアが準備してくれた人数分のカップにコーヒーを淹れる。
机にコーヒーを置くとレティシアが腰掛けるソファの下に居たノアを横にずらして、ルシアンがそこの床に座る
ノア
「わ、ちょ…ルシアンくん」
ルシアン
「文句言うな。…ほら、レティシア」
レティシア
「…ありがとう」
大分、覚醒してきたレティシアに下からコーヒーを渡すと受け取り、ゆっくりと飲み始める。それを確認するとルシアンもコーヒーに口をつける