第26章 呪縛と秘密
ルシアン
「はぁ…分かった。参加する」
リアム
「ん、俺も」
レティシア
「本当か!?ありがとう!」
ぱあっと心底嬉しそうな…まるで花が咲いたようなレティシアの笑みを見て、リアムは思わず息を呑む。
ノア
「姫さん、可愛い…」
フェリックス
「……本当にな」
オリヴィア
「ふふ、確かにあれは可愛いわね」
ぽやぽや、とするレティシアを想っている3人の呟きにオリヴィアが、くすくす笑みながら言葉を吐き出す。
少ししてフェリックスは軽く咳払いをして声を掛ける
フェリックス
「3人参加してくれるようで、助かった。当日は迎えを寄越すからのんびりしていてくれ」
レティシア
「嗚呼」
それを述べるとフェリックスは特別室を去っていった。
リアム
「はー…パーティーなんか参加した事ねぇよ」
レティシア
「あんなとこ腹の探り合い、自慢合戦が繰り広げられてるだけの場所だ。座ってりゃ良い」
リアム
「けど、レティシアだってすげぇ嫌がってたろ?」
レティシア
「パーティーは嫌いだ。…だが、場所がもっと嫌だ」
ルシアン
「フォンテーヌなんだろ」
レティシア
「嗚呼」
リアム
「え、まじ?」
レティシア
「まじ」
はぁっと大きな溜息を吐き出したレティシアは膝の上にいたジルヴァを、ぎゅうっと抱き締めて気分を落ち着かせようとする。
やはり場所が嫌だったんだと、予想でしか無かったルシアンの言葉だったが当たってしまった事に眉間に皺を寄せる
リアムはその場の空気を変えたくて、態とらしく明るい声を上げる。ノアに問い掛けたらきっと気付いて一緒に明るい空気に変えてくれると思ったリアムは、ずっと疑問だったそれを同時に問う事にした
リアム
「ところで気になってたんすけど!」
声を掛けられたノアは一瞬きょとんとするも何となくリアムの思惑を理解して、笑顔を見せる
ノア
「何々?」
リアム
「時々、使ってんの見た事ありますけど…瞬間移動って難しかったり、疲れたりするんすか?難しくねぇなら車とかバイクより、そっちのが楽っすよね?」
ノア
「ほうほう…リアムくん、良い質問だね!」
リアム
「あざす!」
ノアは自身の顎を軽く撫でてリアムを指さす。
明るい2人のやり取りにレティシア達の表情が和らいだ