第25章 突然の別れ…?
レティシア
「馬鹿。こんな風に持ってきたら駄目じゃないか」
泣きながらも笑っているレティシアを見てジルヴァは嬉しそうに尻尾を振った。
その全てをただ黙って眺めていた女性が口を開く
女性
「そうか…この子はお前さんの傍におるのが1番幸せなんだな。何も知らずに口を出してすまなかった」
頭を下げる女性を見て、レティシアは涙を拭い右手に手袋を嵌める
レティシア
「良いんです。…教えてくれて、ありがとうございました。彼の意志をちゃんと理解出来て嬉しかったです」
女性
「そうか…そう言って貰えて良かった」
その後、レティシアとジルヴァは取ってきてしまったネモフィラを戻しに行った。
村長
「本当に…本当にありがとうございました…!」
リアム
「いえいえ…!」
村人
「何の歓迎もせず…本当に申し訳なかったです。これ、たんと食べて下さい!」
ノア
「ありがとうございます…っ」
期待をしていなかった村人達はレティシア達が魔獣を鎮めた事を知り、村人総出で彼等へ感謝を述べて賑やかな空間を作り出している。
訪れた時の冷たい空気はどこにもなく今は暖かい空気しかない
ここへ来て、色んな事があったものの…来て良かったと、この任務を受けて良かったと…全員が胸の内で思った。
まだまだ目的が分かっただけで実際に何をするかは分からないエドゥアルの事。
高貴で貴重な魔獣である事を知り…改めて深い仲だったのだと気が付けたジルヴァとの事。
やる事はまだあるが…今はジルヴァが傍に居てくれる事と村が平和になった事を喜ぼうと思うのだった