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Smile Bouquet

第25章 突然の別れ…?




レティシア
「私が…深くて安全な森にあんたを飛ばしてやる」



そうしてレティシアが大蛇に触れようとした瞬間─…



「駄目じゃ!」

全員
「……っ…!?」


突然、響く声に全員が驚いて振り向く。
するとそこには白髪の少しだけ腰が曲がった年配の女性がいた。この場に不釣り合いな姿の彼女は恐らく村人だろう。
ならば何故、止めるのか…理解が出来なかった。


ノア
「駄目…というのは?」

リアム
「そうです。貴方がたはこいつを恐れていたんですよね」

女性
「皆、知らんのじゃ…この魔獣が村を守ってくれておる事に」

ルシアン
「守る…?」

女性
「こやつが暴れる前は村を襲おうとする大型魔獣を撃退したり、盗賊を退いたりしてくれておったのじゃ。じゃが、村人の目には届かん。あの小さな村が平和であるのは全てこやつのお陰なんだ」


知らなかった事実にレティシアは大蛇に向かって左手を伸ばす。すると、大蛇は…すっと彼女に頭を寄せた。つるつるとした鼻先を撫でると大蛇は嬉しそうに目を細めた


女性
「ほう…そなた、こやつに触れられるのか…流石、彼を従えているだけはあるのう」


女性の視線がレティシア達の近くで元の大きさのまま大人しく座っているジルヴァへと向く。だが、女性の言葉にレティシアの目が鋭くなる


レティシア
「私は彼を従えているつもりは無い」


思わず強くなる言葉に女性は僅かに目を丸くしたが、すぐに目尻に皺を刻んで笑んだ


女性
「嫌な言い方をしてすまなかった。こやつならもう大丈夫じゃ。鎮めてくれてありがとう。…それから、少し話をしようか…その子について」


彼女の視線の先にはジルヴァが居た。
ジルヴァの話?と全員が不思議そうにしたものの…何かを知っているならと、レティシアは手袋を嵌めて小さくなったジルヴァを抱き上げる



レティシア達が借りた家へ戻ってくると、皆が女性へ視線を向けて話し出すのを待った。それに気付いた女性は小さく笑みを浮かべながら出されたお茶を一口飲んでから、全員へ視線を向ける



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