第25章 突然の別れ…?
翌日、再び森に入ったものの相変わらず気配が無かった。
本当にこの森に大型魔獣がいるのか…そう疑問に思い出した時─…
─ズズッ
何かを引き摺る様な低い音が響いて全員が辺りを見回す。
すると、バキバキと木を倒して話に聞いていた通り蛇のような大型魔獣が姿を現した
リアム
「どわっ…木が多くて…くそ!戦いづれぇ…!」
ノア
「全くだよ…!」
レティシア
「これじゃこっちが危ねぇな…っ」
レティシアはそう吐き捨てると両手を空へと向ける
レティシア
「フィピテオ…!」
すると、円を描く様にしてそこの一帯から木々が全く無くなった。動きやすくなった事により全員の動きがいつも通りになる
レティシア
「ジル…力を貸してくれ!」
ジルヴァ
「にゃっ…!」
レティシアが右手を覆う手袋を口で外すと、ジルヴァは元の大きさに戻り飛び上がる
ルシアン
「蛇ってのは…中々に戦いづらいなっ」
大きな身体を滑らせるようにして回転されると避ける事しか出来ない。ジルヴァが口から吐き出す雷の様な玉で徐々に弱らせているのは確かだが…同様に特別室メンバーの体力も削る
ジルヴァ
「グルッ…!」
ノア
「ジルくん…!」
ジルヴァが地面に脚を着けるのを見計らっていたかのようなタイミングで大蛇が、ジルヴァの白い身体にぐるりと巻き付き…首を強く締める。苦しげなジルヴァの声と表情にルシアンとリアム、ノアは驚いて一瞬固まったものの…レティシアだけが脚を止めていなかった
レティシア
「ジルに…何してくれてんだ、くそ野郎……フィピテオ!」
両手に地面をつけて放たれた魔法は、めきめきと蔦が地面から伸びてきて大蛇の身体にだけ巻き付く。それが分かったジルヴァは慌てて空へと逃げる
レティシア
「ルシアン!」
ルシアン
「任せろ!」
一気に走り込んできたルシアンがその蔦を身軽に駆け上がり大蛇の額に乗ると、思い切り注射を打ち込む。
すると、例の如く急に落ち着きを取り戻した魔獣を見てレティシアが蔦を解く。
レティシア
「恐らく…あんたが大人しくなっても姿を見るだけで怖がる奴がいる」
大人しくレティシア達を見ている大蛇に彼女が声を掛ける