第24章 新任務
レティシア
「なら…私を救ったユリスを陥れた理由は何だ…!」
エドゥアル
「外部に情報を流していたのは確かに僕だ…でも、まだ捕まる訳にはいかなかった」
レティシア
「どういう事だ」
エドゥアル
「ブラックティアは…時が来るとその力を倍増させるらしいんだ」
的を射ていないエドゥアルの言葉に戸惑いが増す。
エドゥアル
「だが、倍増させるにはまだ僕の力量が足りなかった。…そんな時にブラックティアを抑制できる魔法を知ってる奴と出会った。最初は疑ったが…信じるしか無かった。あいつが何の為にゼフィランサスの内部情報を欲しがったのかは知らない。それよりも僕が大事だったのは…ブラックティアが勝手に発動してレティシアに何かが起る事だった」
レティシア
「その抑制魔法を教えて貰っていなかったから…捕まる訳にはいかなかった。だから、ユリスになすり付けたのか」
エドゥアル
「仕方なかったんだ…!」
どこまでも自分勝手な理由。その理由と運悪く重なったのがレティシアの指揮官長就任を妨害する為にユリスを亡き者にする様、命令したシモンの自分勝手な理由だった。
仕方ないで…済まされる訳がなかった。
今まで聞いた話は理解しようにも出来ない内容。頭が混乱する中でレティシアは言葉を絞り出す
レティシア
「意味…分かんねぇ…」
エドゥアル
「そうか?単純な事だよ…僕は……僕はお前を愛してるんだ…!」
レティシア
「……っ…?」
また内容がおかしな所へいったような気がしたのと、突然の事でレティシアは言葉が出ない。
ルシアン
「……もしそれが本当だとして」
エドゥアル
「……?」
ルシアン
「あんたがレティシアを本当に愛していたなら…もっと違うやり方があった筈だ。頭良いくせにその辺は馬鹿なんだな。…ユリスとは違う」
ルシアンは、ふっと鼻でエドゥアルを笑う。
エドゥアル
「はは…どこまでいってもユリス、ユリスだ…僕だって─」
─ガコンッ
エドゥアル
「…!?」
リアム
「いた…!」
突然、神殿の壁が大きな音を立てたかと思うとガラガラと崩れ…そこからリアムが現れた。
リアムは壁を壊して痛む手を軽く振りながらレティシア達の方へやって来て…音に反応したノアもやって来た