第22章 貴方の面影をなぞって
リアム
「良いじゃねぇか。適わねぇのって腹立つし無力に感じる事もあるけど、それが原動力にもなるだろ。ムカつくからもっと頑張ろうって」
ノア
「リアムくん…」
レティシア
「リアムのくせに…良い事、言っててムカつく」
リアム
「は!?」
唇を尖らせるレティシアの言葉にリアムは素直に喜べなかったが、皆が笑っていたので"良いか"と諦めた。
ノア
「でも、必死な姫さん格好良かったなぁ」
レティシア
「必死になってない」
ルシアン
「必死だったろ」
レティシア
「ぜんっぜん」
リアム
「頑固かよ」
オリヴィア
「ふふ」
ソフィア
「私は、嬉しかった…です。レティシア様の、本気…見られて」
また言い返そうとしたレティシアだったが事実な為もう良いかと、言葉を紡ぐのを諦めた。
この力の事は死ぬまで付き纏うのだろうな、なんて思ったものの前よりも軽く考える事が出来る様になったレティシアは、これからもっと…沢山の人を助ける事が出来る、と意識を変えてくれた家族や仲間に感謝するのだった
レティシア
「よし、何か食べて帰るか」
リアム
「お、やった」
オリヴィア
「お嬢の奢りかしら?」
レティシア
「あー…そうだな。迷惑かけちまったし、奢りだ」
ルシアン
「ここに迷惑だと思ってる奴いねぇよ」
ノア
「むしろ迷惑歓迎!」
オリヴィア
「ふっ…迷惑歓迎って」
ソフィア
「でも、抱え込んで…しまわれる、よりは…良いです」
リアム
「だな!」
会話をしながら歩く彼等の背中はまた一歩、仲を深めた仲間へと進んだ。
これからも楽しい事、辛い事…時には衝突をして仲を深めていく…かけがえのない仲間として