• テキストサイズ

Smile Bouquet

第22章 貴方の面影をなぞって




レティシア
「この力を好きになるのは時間がかかるかもしれない。だが、ユリスが言ってくれた様に私の力だから…人を助ける為に衰えさせたりしない」


ルシアンは嬉しそうに目を細めてからレティシアの肩を抱いて同じ様に墓石を見詰める。

魔法を使う、レティシアにとっては大きな選択。今までは仕方が無いから、で使っていたのが変わるのだ。
だからルシアンは彼女の言葉に驚いたが…それよりも喜びの方が大きかった




レティシア
「そういえば…」

ルシアン
「?」

レティシア
「メディって何だろうな…お爺ちゃんか?」

ルシアン
「それ司令に言ったら泣くと思うぞ」


そうは言いつつも、やはりメディも家族という認識がレティシアの中ではあるらしく…彼が聞いたら喜ぶだろうなとルシアンは言葉とは逆の事を考えていた。


血は繋がっていなくても彼等はちゃんと家族なのだ。
血よりも濃いもので繋がった、本物の家族。




ノア
「あ!やっぱりここに居た!」


3人の間に流れる穏やかな空気を壊したのはノアの声だった。



ノア
「あ゙!ルシアンくん狡いっすよ!姫さんの肩抱くなんて!」

ルシアン
「五月蝿いのが来たな…」

ノア
「ひどっ!」


溜息を零してレティシアの肩から腕を下ろしたルシアンの言葉にノアはショックを受けたがすぐに笑っていた。

リアムは初めて来た場所に戸惑いつつもレティシアとルシアンの間から白い墓石が見えれば、ユリスが眠っているのだと理解できた。


リアム
(…すっきりした顔してんな)


レティシアの表情にリアムはそう思った。
それから、ルシアンがそうしたんだと分かり、流石だなと思うのと同時に何とも言えない感情になった為、誤魔化す様に声を上げる


リアム
「レティシアにも勝てねぇ事ってあるんだな」


その言葉にノアとオリヴィア、ソフィアは怒るんじゃ…とレティシアの表情を窺った。
不満気なレティシアは表情を歪め


レティシア
「ムカつく…。その記憶消せ」

リアム
「横暴な!」


怒っていなかった事に3人は、こっそり安堵する。



/ 398ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp