第22章 貴方の面影をなぞって
集まってきた訓練生達は驚き緊張していた。
普段通りに授業を受けようと思って移動してきたら校長が居るのだから。それと同時に明らかに基地所属の守護官が6人も居るのだ。皆が何事だと、ざわつく
サーラ
「皆、前に優秀な人を連れて来ると言ったのを覚えているかしら?」
彼女が問い掛けると各々で頷く。そして、次には並ぶ6人を視界に入れる
サーラ
「特別室の指揮官、レティシアちゃんと─…」
レティシア
「愉快な仲間達だ」
リアム
「おいっ」
ノア
「ははっ…!」
ルシアン、オリヴィア
「はぁ…」
ソフィア
「あはは…」
紹介を省くレティシアに特別室メンバーは各々に反応する。
その様子を見てアレクシとサーラは笑みを浮かべるが、追い付けない訓練生達はきょとんとしていた。
─ガチャ
メディ
「あぁ、良かった。どうやら間に合ったようだね」
思いもよらない人物の訪問に訓練生達の纏う空気が固くなる。
レティシア達も予想していなかったようで僅かに目を丸くした
レティシア
「はぁ…あんたも暇人なのか」
メディ
「良いじゃないか。将来どんな守護官が誕生するのか私も見ておきたいと思ってね。…それに、数々の最年少記録を叩き出したレティシアくんに彼等がどれだけやれるのか見たかったんだ」
レティシア
「ったく、アレクシもメディも…何でそんな嫌味を言うんだ」
腰に両手を当てて、うんざりだとばかりに溜息を吐き出すレティシアの言葉にメディは首をゆったりと傾げる。
訓練生は、ポンポンと往復する言葉に混乱し始めていた。司令官であるメディが来た事、指揮官であるレティシアが何故敬語も無く話しているのか…。
メディはそそくさとアレクシの元まで歩いて行くと椅子に腰掛ける。訓練生は本当に見るんだと…緊張と同時に気合いが入った。ここで良い結果を出せば或いは…と。
並べられた椅子に特別室メンバーも腰掛け。今まで大人しく座っていたジルヴァはソフィアの膝の上に飛び乗る。
どうやら、これからレティシアが忙しくなるのを理解している様だ
サーラ
「さぁ、レティシアちゃん。遠慮なく訓練生達へ教えてあげてちょうだい」
にこにこしながら告げるサーラの言葉にレティシアは頷くとルシアンへ視線を向ける