第22章 貴方の面影をなぞって
サーラ
「あ、いらっしゃい」
ノア
「どーも。約束した通り姫さん連れてきました」
レティシア
「ここも変わらんな」
ルシアン
「久し振りに来た」
リアム
「あ、この傷!まだ残ってたのか。これ俺が付けちまったんだよなぁ」
オリヴィア
「ちょっと、皆だけで盛り上がらないでよ。私達置いてけぼりじゃない。ねぇ、お花ちゃん」
ソフィア
「は、はい……でも、皆さん…楽し…そうで、す」
探る為に近付いた時に約束した事を果たす為にノアは特別室メンバーを連れてシンメの訓練部屋に訪れていた。
まだ授業が始まる前なのか訓練生の姿は1人も無くサーラだけが全員を迎えた。
探りを入れた日と同じであるのに、雰囲気が少し変わったサーラにノアは何となく安堵した
訓練部屋を見て回るレティシア達を見てオリヴィアとソフィアはシンメに通っていないため、思い出が無い事に疎外感を持つ。そして、拗ねた様にオリヴィアは抗議した。
それを見たノアが2人の肩に手を置いて笑う
ノア
「オレもシンメ通ってないし、思い出ない。けど、今からの事を目に焼き付けて思い出にすれば良いんじゃ無いすか?」
オリヴィア
「………。それもそうね」
ノアの言葉に頷くオリヴィアを見れば、ソフィアは安堵して一つ息を吐き出して笑みを浮かべる。
オリヴィア
「それにしても広いわね」
レティシア
「まぁ、魔法を使う事もあるからな。ちょっとやそっとの事じゃ壊れないぞ」
オリヴィア
「へぇ…」
感心しながら広い空間をオリヴィアは見上げる。
─ガチャ
アレクシ
「やぁ」
リアム
「アレクシ指揮官長!?」
訓練部屋のドアが開いて聞こえたのはアレクシの声だった。
その姿にレティシアを除く全員が背筋を伸ばすものの、アレクシは困った様に笑いながら手を左右に振る
アレクシ
「そんなに畏まる必要は無いよ」
レティシア
「何しに来たんだ?指揮官長様は暇なのかなぁ?」
ルシアン
「こら、レティシア」
アレクシ
「最年少記録をいくつも叩き出す程、優秀なレティシアくん相手に将来有望な訓練生達がどれだけ出来るのか確認したくてね」
レティシア
「おい、それは何かの嫌味か?ん?」
眉間に皺を寄せながら詰め寄ってくるレティシアに、アレクシは「いやいや」と苦笑する