第14章 この言葉を送り返そう
オリヴィア
「流石は私達の指揮官、ってとこね」
ふっと笑みながら告げられた言葉に3人は脱力し背もたれに身体を預ける。
オリヴィア
「もう会話もできるわよ」
衛生室に入った3人はベッドに横になっているレティシアを見て、顔色の悪さに眉を下げるも目を覚ましている事には安堵した。
3人がベッドに近付くとレティシアは力無く笑みを浮かべ
レティシア
「すまない…迷惑かけたな」
息苦しそうに吐き出される謝罪にリアムの片眉が、ぴくっと反応した
リアム
「迷惑かけた…だと?」
レティシア
「……?」
俯き握り締めていたリアムの拳が僅かに震えている。
そして、言葉に含まれる怒気に全員が不思議そうに視線をやる
リアム
「ふざけんな……ふざけんなよ!お前は1人で抱え込み過ぎなんだよ!もっと頼れよ!何の為の仲間なんだよ。…お前の身体は簡単に傷がつくんだ、不死身じゃないんだぞ!お前が犠牲になって助かったってな、嬉しくねぇんだよ!そっちの方が迷惑だわ!…お前が言ったんだろ…てめぇが死んで誰かが助かるのは自己満だって。自分も助けろって…お前が教えてくれたんだろ、ふざけんなよ…」
捲し立てる様に強く吐き出した言葉…それは、最後の方には弱くなっていた。
それを聞いたレティシア達は呆気にとられた
レティシア
「……ふはっ」
リアム
「何笑ってんだよ」
しん、と静まり返った部屋にレティシアの笑みが零れる。
リアムは拗ねたように唇を、むっと突き出してレティシアを睨む
レティシア
「いや、その通りだなと思ってな。……私が間違ってた」
リアム
「本当だよ、人に言うなら自分も守れよ」
ルシアン
「リアムの言う通りだな」
オリヴィア
「本当にね。もっと言ってやってちょうだい」
ソフィア
「でも、ご無事で…良かった、です」
各々から吐き出される言葉を聞いてレティシアは、良い仲間達に出会えたと改めて思う。
自分が間違えた時ちゃんと叱ってくれる人がいると言うのは良い事だと、笑みが零れる