第3章 身をもって
ノア
「失礼しまーす。オリヴィアさん、今良いですか?」
ノアが声を掛けた女性は資料を読んでいたらしく彼の声に反応すると眼鏡を外し、細めで目尻が釣り気味の色気のあるグレーの瞳を2人へ向けた
「ええ。…あら、お嬢が言ってた新人さん?」
ノア
「はい。今、皆に紹介して回ってて」
「ふふ、それはお疲れ様」
艶のある唇が笑むと、それを右口角の下にあるほくろが更に艶めかせて見せた。
流された前髪に肩甲骨までの長さの黒髪は、彼女の持つ色気を増させているようだった
白衣は中間部のボタンを1つだけはめていて、下着に見える様なインナーのみを身につけており、その下は黒スキニーに黒ピンヒール。
白衣の右二の腕にはヒガンバナ紋章ワッペンに、青の腕章
「オリヴィア·ルロワよ。…宜しくね」
リアム
「リアム·ランベールです。宜しくお願いします」
オリヴィア
「怪我をしたらいつでもいらっしゃい」
リアム
「あ、はい」
ノア
「ちなみに、オリヴィアさんは魔法使いなんだ。だから、怪我してもある程度のもんなら治っちまうから軽傷は無傷みたいなもんだよ、リアムくん怪我し放題」
リアム
「いや、し放題って…」
ノア
「ちなみにPart2」
呆れるリアムを放ってノアはブイサインを出しながら笑う
ノア
「俺も魔法使い」
リアム
「え、まじすか!」
両親指を自身に向けて、自慢気に言うノアにリアムは驚きの声を零す。
それを見ていたオリヴィアは小さく頷き
オリヴィア
「ええ。うちの指揮官も魔法使えるわよ?」
リアム
「へぇ…」
流石はゼフィランサスと言うべきか、魔法使いを探す方が難しいこの世でリアムは、既に3人も魔法が使える存在に出会ってしまった
リアム
(魔法が使えるからってランクが同じとは限んねぇんだな…)
リアムはノアの銀とオリヴィアの青の腕章を見て、そう思ったのと同時にランクCを示す緑の腕章をしている自分の腕を見て僅かに落ち込んでしまう
ノア
「よーし、次は我らが指揮官に挨拶行こうか」
リアム
「え、さっき行ったじゃないすか」
まぁまぁ、と笑いながらオリヴィアに挨拶してからノアはリアムの背中を押して衛生室を後にした