第3章 身をもって
鎮まった大型魔獣を見送った後、3人はヒガンバナへと戻った。
特別室に戻る前にレティシアは寄る所があると言って、どこかへ消えた
リアムは先程の光景を思い出し大変な場所に来たな、なんて思いながらもそんな簡単には魔獣を取り締まろう!という気分には切り替える事が出来なかった。
ノア
「リアムくん、リアムくん」
丸椅子に座っていたリアムに声を掛けてきたのはノアだった。
ノアがちょいちょいと手招きをする為リアムは、それに従って近付いて首を傾げる
リアム
「何すか?」
ノア
「君の仲間になる人達を紹介しようと思ってね」
リアム
「あ、そういえば…」
リアムはここに入った時の事を思い返して、まだノアとレティシアの名しか知らなかった事を思い出す。
リアム
「お願いします」
ノア
「はーい」
軽い返事を返してくるノアが向かったのは数台のモニターとパソコンの液晶を見ている人物へ近付く
ノア
「彼女は特別室の援護部隊で、通信でオレ等を支えてくれてる子だよ。…自己紹介出来る?」
「え、あ…はい…っ」
ノアに優しく声を掛けられた人物は、慌てて立ち上がりリアムと向き合う
「は、初めまして…ソフィア·プティと申します、えっと…宜しく、お願いします」
ソフィアと名乗った彼女は大きく丸い形の中でスカイブルーの瞳を泳がせて、瞳と同じ色の顎よりも少し長いボブを乱れていないにも関わらず何度も触り人との付き合いがあまり得意でないのが見て取れたリアムは、控え目に声を出す
リアム
「リアム·ランベールです。宜しくお願いします」
ソフィア
「は、はい…!」
ノア
「邪魔してごめんね。じゃ、次行こっか」
リアム
「あ、はい。…失礼します」
ぺこっと頭を下げたソフィアから離れるとリアムはノアに言葉を投げた
リアム
「ソフィアさんは、ランクBなんすね」
ノア
「うん。だから、支援部隊。かなり優秀」
リアム
「そうなんすね」
シンメで振り分けられた実行隊と援護隊はただの目安での呼び方で、正式な職になると実行隊は実働部隊として現場に赴く事になる。
そして、援護隊は支援部隊として通信を使ってサポートする事となるのだ。
会話をしながらも到着したのは衛生室で。
衛生室では現場で怪我をした際に治療を受ける事が出来る