第4章 これから
真鈴はローに連れられ、また違う部屋の前にたどり着いた。
さっきの扉より、軽そうだ。
…部屋の中に入る。
開く時に鳴る音も、先程より小さかった。
「な、にこれ⁉︎」
2人の目の前に、壁全体にずらーっと並んでいる、大量の棚が現れた。
詳しくいうと、真ん中を囲むように、棚が大量に並んでいる。
「な……んなの、この棚の量⁉︎」
「半分は船員の棚、あとの半分は色々入っている棚だ。…探しまわるのも面倒だから、一つの部屋にまとめた結果、コレだ。」
「……なるほど。ところで…コレ、誰の棚か分からなくならないの?」
「まぁ…間違える時はあるが…。一つ一つ棚の種類が微妙に違うから見分けはつくと思うが。」
「…見分けつくんだ、すごい…」
改めて部屋を見回す。
…全て同じ棚に見える。
本っ当によく見ないと違いが分からない。
「あれー、船長、どうしたんすかー?」
ちょうど棚の死角にいた船員がこちらに来た。
「あぁ、ちょうどいいところに。すまねェが、女モノの服を探してくれねェか? 多分、あると思うが…」
「ラジャー‼︎ しばしお待ちをー…」
そう言うと船員(1)は、部屋の一番奥の、いかにも使い辛そうな棚に向かって走って行った。
…2分後。
船員(1)は、黒い服を持って、こっちに戻ってきた。
「探しましたが…コレ一枚しかなかったです。…あの、シャチがいつかの島で、店員に買わされた服…」
「……あぁ…あれか。」