第21章 一緒に……お風呂?

ローは手を離した。
…瞬間に真鈴はローの膝から飛び降り、距離を置いた。
身体が熱く、心臓の鼓動もとてつもなく早い。

「ろ、ロー変態っ‼︎」
「変た…っ⁉︎ …まぁいい、男は皆変態野郎だ。」
「何開き直ってんの⁉︎」
「…というか、お前、前に言ってたじゃねェか。“頑張って俺に応える”…って」
「ーっ‼︎」

ローは立ち上がり、真鈴に徐々に近づいていく。
対して真鈴は徐々に後ろに下がっていく。

「応えてくれるんだろ…?」

ついに壁まで追い詰められ、ローの腕が真鈴の顔の横に伸び、壁を軽く叩いた。
いわゆる…壁ドン状態だ。
ローはニヤリと不敵に笑っている。

「なァ…?」
「っ‼︎」

艶めいた声で耳元で囁けられ、ゾクリと身体が反応した。

「たっ、確かに言った…けどっ」
「けど?」
「……っ」

(数日前の私…っ‼︎ なんであんなこと言ったのさ‼︎)

…今更後悔しても遅い。

「まぁ…今は我慢してやるよ……今夜は楽しみだ…じゃあな」

ローはそう言うと真鈴の頰に軽いキスをし、部屋を出ていった。
…盗み聞きしていたシャチと船員3がバラされたのは、また別のお話。
…真鈴視点に戻る。

「…今夜?」

(………あ、そういえば、朝に、ローと一緒にお風呂入るって約束したんだった…‼︎ …あ、でも大丈夫か、ベポいるし……)

「……うん、大丈夫なはず。…というか…私もそろそろ覚悟決めなきゃな…」

(いつまでもローを待たせるのはいけないし…)

先程とは違い、心臓がトクントクンと軽い鼓動を繰り返し始めた。
…が、それも無くなった。
ある人物(?)によって。

「真鈴さぁぁぁぁぁぁぁん‼︎」
「ぎゃあああああ‼︎ …って、ベポか」

ベポが真鈴の名前を大声で呼びながら勢いよく扉を開いた。

「し…心臓止まるかと思った…」
「すみません…」
「…。あ、用は何?」
「お昼は何にするー? と思って‼︎」
「あー昼ねェ…どうしようか」

真鈴は一旦考え事を止め、お昼のメニューを考え始めた。


…時間は過ぎ、夜。
晩御飯はもう食べ終えている。
ちなみに、お昼はサンドイッチ、ローはオニギリを振る舞った。

…真鈴は食器を洗い終え、あとはお風呂に入って寝ることだけとなった。