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[ONE PIECE] 癒し恋 〜ローver〜

第20章 力の代償



…真鈴が目を覚ますことはなく、夜を迎えた。
あれからローは真鈴を寝台に寝かしつけ、寝台の隣に椅子を置き、そこに座って彼女を見続けていた。
彼女の顔色はどんどんよくなるものの、やはり起きる気配はない。

「キャプテン…晩ご飯ですけど…」

そう言ってベポはキィ、と少し扉を開けた。

「…あァ、今行く……」

真鈴の方を見たまま言った。
ベポがそろりと部屋に入ってきた。

「…まだ、目を覚ましていないのですか…?」
「…あァ」

ローは立ち上がり、ベポの元に歩み寄る。

「…。」
「キャプテン‼︎ …大丈夫?」

ベポが心配そうな顔をしながら、ローの顔を覗き込んだ。
ベポは今まで見たことのないローの様子に驚きつつ、ローの心労を心配している。

「…何言ってんだ、なんともねェよ」

(キャプテン…平気なフリしなくてもいいのに…)

「いつまでそこに突っ立っているつもりだ、先行くぞ?」

ローはもう扉を開けていた。

「あ、キャプテン待って‼︎」

ローは部屋を出ていった。
ベポはその後を追う。

「キャプテン待って…ちょっと聞きたいことが」
「あ”? なんだ」

ローは立ち止まった。
ローの隣にベポが追いつく。

「えっとですね…キャプテン。キャプテンは…真鈴さんのこと、愛していますか…?」
「な、なんだ急に⁉︎」

ローの頰がうっすら赤色に染まった。

「いーですから‼︎ …で、どうなんですか?」
「…っ、あ、あァ。愛しているさ、もちろん…って、ガラでもねェこと言わせるんじゃねェよ…」

ローはぎこちなく答え、ベポから顔をそらした。
ベポはニンマリ笑顔を浮かべた。

「…ですよねェ〜♡♡♡」
「…何ニヤついてやがる…バラすぞ」

ローはチラリとベポの方を見ながらそう言った。
…ローは耳まで顔を赤く染めていた。

「なんでもないです♡」
「…なんだったんだよ」
「気にしないで下さい♡ 早くご飯行きましょ‼︎」
「ふっ……あァ。」

いつもと変わらない調子のベポに、ローは笑みをこぼした。
テッテケテーと先に進むベポ。

(よかった、キャプテンちょっと顔色良くなった。真鈴さん起きなくなってからキャプテンずっと、暗い顔していたからなァ…)

…こうして真鈴以外の船員が揃い、晩飯が始まったのであった。

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