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花曇り

第2章 1


桜舞う、入学式。
小学生の時みたいに、マイキーの近くにいる鬱陶しい女の子と思われるのが嫌でメガネを買った。

幼なじみに相談したら、ダサくなればいいだろって。単純で単細胞な答えをしっかり行動に移してる私も彼奴らと同等なんだろうなって考えながら本を読んで歩いてた。

「危ねーぞ!」急にそんなことを言われるものだから、びっくりして読んでいた本を水溜まりに落とした。

「あ、悪ぃ。そこまで、脅かすつもりなかったけど。今お前赤信号のままに 渡ろうとしてただろ。本読むら座って読めよ」

分かってんだよって言い返そうとしたら、そこに居たのは紫色の髪に黒のピアスをつけたいかにも不良という感じの人。
見慣れてはいた。周りにそんな奴沢山いるから慣れてるけど。

今まで見たことない雰囲気を出して優しい笑顔でこちらを見てるその人に私あの時から恋心を抱いていたのかもしれない。

「本悪いな、買って返すよ」
「あ、いえ。私が悪いので。朝からつい集中してしまって、寧ろ危ないところを助けてくれて、ありがとう」
「おう!お前名前は?同じ制服だろ。俺は三ツ谷隆、宜しくな」
「花咲蓮、宜しく」

そんな、可愛げのない挨拶に。彼はどんな本を読んでいたのか、面白いのか俺の友達にも馬鹿な癖に本読んでる奴がいるんだって
その口からはポンポン話が出てきた。
曖昧で不細工な返事を返す私は今ですら最低だと思う。

でも、3年たった今は少し彼の近くに行けたと思ってるよ。

「おい、れん!れん!授業終わったぞ!」
そんな声に目を覚まして、起こしてくれた相手にお礼をいう。

「ありがとう、タカちゃん。次の科目なんだっけ?」
「寝ぼけてんのか?もう、終わったよ。お前マイキーじゃないんだから。1日寝るなよな」
「マイキー給食の時には起きるよ。私は1日起きない。一緒じゃない」
「問題そこじゃねぇよ。俺部活行くけど、お前どうすんの?集会来るだろ?」
「うん、行く。行かないとマイキーに拗ねられるから。たかちゃんの部活終わるまで待ってるから。終わったら電話して」
「おう!また、連絡するわ」
「うん、じゃーね、頑張って」手をヒラヒラさせながらな、図書室に向かう

今日は何読もーかなって考えながら、5冊程本棚から選び机に並べて1冊取り、ページをめくりまた、妄想の世界に溺れていく。
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