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SketchBook【R18】

第8章 Sketch2 --楽園




「お兄ちゃん、何かあったの?」


窓の外の林の方をじっと眺めていたリュカが、背後から掛けられた声に振り向いた。


「ああ……体はもう平気?」


その言葉にミーシャが少し赤くなった。


「……うん。 初めてだったからちょっとびっくりしたけど、昨日近くの泉に水浴びに行ってきたし。 また誰か来た?」

「ミーシャが結界張ってくれてるお陰で問題ない。 昔っから、潜在能力では父さんや俺なんかよりお前が一番だったからな」


そんな風に褒められ、慣れないミーシャは益々顔を赤らめた。


「そんな事ないよ……お兄ちゃんが色々教えてくれたから」

「まあ、強過ぎる余りに視え過ぎるってのも、考えものだけど」


そう独り言みたいにリュカが呟いた。


「何か言った?」

「何も……おいで。 ミーシャ」


ここに住み始めてから木の葉の色が一度変わる位の、いくらかの時が過ぎた。

リュカは彼女に食事を用意し、ゆっくりと休養を取らせた。
初めはふさぎ込みがちだったミーシャは精神的にも間もなく落ち着いた。

彼女の頬はふっくら薔薇色を帯び、痩せた少女は急速に美しい娘へと変化していった。


とはいえ、彼女の変化はそれだけではない。




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