第18章 リゾートデート(ユナイト編3)
それはさながら渓谷だった。
双方から岩壁が迫り僅かにあいた
隙間から細く伸びる光、
足元を照らすためだけの補助電灯。
「本当に海の中を散策してるみたい」
「ここから下へ降りていけば
水中の洞窟が見られるんだ」
思わず小声になり息を潜めてしまう。
それほど静かな空間が広がっていた。
レンティルにもコピアの海があるが
確かにそこでは見られない。
もしこんな場所があっても
岩壁が近すぎて調査ポッドが通れない。
「ゲンガー、ありがとう……」
「……。」
ここよりずっとどこか遠くを見ながら
レナはそう言った。
俺の手を握りしめる。