第17章 ゼラオラとマフラー(ユナイト編2.5)
そうして勝ちを重ね、
ハイパー帯昇格戦の日が迫っていた。
「うあーッ!緊張するー!!!」
「大丈夫だよ、いつも通りだって」
「でも俺はいつも通りじゃないもん!」
また駄々をこねるゼラオラと
ジーヴルにあるクイックコートで
最終調整という名の息抜きをしていた。
夜だのにライトアップされ人の絶えない
そこは祭りの夜のようだった。
暫くそこでプレイしてたからか
手がかじかみ、試合で帯電した
ゼラオラに手を当てる。
モフモフして少し熱いくらいだ。
「あっ……さむいの?」
「うーん、やっぱりジーヴルはね」
「そっか、……はいコレ!」
ゼラオラが巻いていた赤いマフラーを
私の首に回した。
確かコレはポケモンのアバターだから
ホログラムの筈……。
「本物じゃないのに暖かい」
「電化製品だからね、
俺が暖かいのと一緒ってコト」