第1章 導入/調査隊での生活
調査隊体験に連絡をして何の身辺調査もなく
生活必需品だけを持ってきてくれ、と、
言われた時はどんな人間が研究の責任者を
やってるのかと呆れたものだった。
「博士~!お皿は片付けてってば!」
「あっゴメンゴメン、いつもありがとう」
「ありがとうじゃなくて……!もー!」
多分、他の大人たちから変人だとか
信用ならないとか言われてきただろう
この人物は責任者のカガミ博士。
そして照れながらも満更でもなさそうに
世話をしているのはリタという子供だ。
ここに来てまず驚いたのが
大人が博士しかいない、ということ。
(前にはオーキドやトオル等の
著名人も居たことがあるようだが)
博士はハッキリ言えば人間に興味がない
なんなら自分自身にもだ。
もしもここに珍しいポケモン目当ての
テロリストたちが来たとしても
簡単に侵入を許してしまうだろう。
そう確信できる程度には
警戒心もコチラへの興味もなかった。
「……博士」
「ん?ああ、時間か。
今日はどの島でキャンプするんだい?
何か必要な物があれば
いつでも言ってくれて構わないからね」