第10章 ねるねる味占い
すっかり拗ねた様子のゲンガーに
思わず笑みがとまらない。
寂しくなった時だけは口角が下がって
ゲンガーは笑わなくなる。
私にだけ見せてくれる秘密の顔だ。
これをみると、やっぱり
寂しがりだなって思うんだけれどな。
「んんーっ、ね!ゲンガー?」
「ゲン!?……ゲゲ、……ゲンガ」
背中にウリウリと額を押し当て抱き締めた。
むず、と一瞬ためらったものの
すぐ堪えきれずに笑顔を戻して
抱き締め返される。
「寂しがり」
「ゲゲッ!?ゲンガ!!!」
「ふふ」
そんなことない!と地団駄をふむ
ゲンガーを見ながら一日が終わる。
今日も変わらず暖かくて幸せだった。