第10章 ねるねる味占い
「ゲンガーどこいったんだろ」
手作りポロック機にカシカシ、と
木の実をすりつぶした粉を詰めて
キューブ状に固めていく。
それもこれでおしまいだ。
「……ゲンガー?」
名前を呼んでみるも返事はない。
いつも一緒なので居ないと少しだけ心細い。
気もそぞろにポロックをバックにしまう。
「ゲンゲロゲッッ!」
「うわ、わ!」
突然のことに思わず尻餅をついたが、
ホッと笑みがこぼれた。
壁から上半身だけ出たゲンガーの
腕を掴みよいしょ、と立ち上がる。
「ゲン……」
「わ、ひゃにひゅるの」
ゲンガーにほっぺたをつままれて
情けない声をあげる。