第1章 #00 記憶
「かっちゃんの個性、すごくかっこいいよね〜!!!いいなあ、わたしも早く個性出ないかなあ」
「ぼ、ぼくも!!はやく個性でて、かっちゃんみたいになりたいな〜〜〜!!」
「おまえらがどんな個性が出ようとも、オレには一生かなわねえっつーの!!!」
将来は絶対にヒーローになるのだと、3人で憧れを抱いていた。
わたしと出久くんはまだ個性が発現していない。
一足先に個性が発現したかっちゃんが、何よりもヒーローに見えていたのだ。
「でもでも、イヴちゃんは見た目だけでもヒーロー!って感じがしてすごくうらやましいんだ!!」
「インパクトあるっていいよな〜〜!!オールマイトもそうだけどよ!!?」
『そ、そうかな…??でもすごく自慢なんだ!!!おとうさんみたいで!!!!』
わたしには、大きな白い翼が生えている。
体より大きな美しい羽。
父にも白い翼が生えていて、その遺伝からわたしにも翼が授かっている。
もちろん空も飛べるし、何より目立つ。
自慢の羽でもあったが、何より大好きな両親から受け継いだものと思ったらものすごく大切なものになっていた。
わたしはこの翼で飛び回り、困っている人を助けるヒーローになりたいと思っていた。
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