第6章 それぞれの道(Dグレ/ラビ)
「にしてもディックもエクソシストになってたなんて驚き…………って、わっ……!」
小さく戸惑いの声を上げ、の言葉が止まる。
それは、ラビが突然を抱きしめたから。
彼女への想いを押さえつけれなかったのか、ラビは力強くを包み込む。
「ちょっと、ディック…」
「ラビ。」
「へ?」
「オレの名前は、ラビさね。」
耳元ではっきり言われた言葉に、はっとしたようにが顔をあげる。
そして彼の表情で全てを悟ったのか、一度唇を噛みしめ俯き、改めてラビの胸から顔をあげた。
「そう、だよね……」
「――――。」
ラビが、の耳元で何か告げ、が顔を真っ赤にした。
と、そんないい雰囲気をぶち壊しにするかのように、ドォンと鳴り響く轟音。
咄嗟に二人が顔を上げれば、まだ放置していたイノセンスに誘われたアクマが数体現れていた。
「……バッドタイミング」
アクマを睨むように、が、整った唇を歪めて笑う。
そして二人それぞれ、イノセンスを構えた。
「いっちょ再会記念の共闘といきますかね」
「ええ」
そうが言ったと同時に二人共走り出す。
は一歩前にいるラビの背中を見ながら、ありったけの想いを込めて、口ずさんだ。
“私も、大好き。”
Fin....
(なんか言ったか?)
(いいえ、何も。)
(……ふーん?)
(…っ、何も言ってないから! 前向きなよ!)
(はいはい。)
.