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Short Storys

第5章 ある赤鴉の決心(RedRaven/ウォルター)



ある朝。

自室で寝ていたは、窓から差し込む太陽の光の眩しさに目を覚ました。

あんまり朝は強くない。

確か今日は非番(多分)なので、すぐ起きる必要もなく、は布団にくるまったままもう一度寝にかかる。

だが、そんな彼女の眠気を遮るようにばーんと部屋のドアが開かれた。


「おい!」


そう叫んで、ノックもなしに無遠慮に入ってきたのは赤髪の青年。

そちらを振り向かずとも、それが誰かなんてすぐ分かる。

しかしその無遠慮さは、今低血圧の彼女にとっては琴線に触れたようで。


「………………なに?」


負のオーラを纏わせながら首だけ動かしてそっちを見やれば、そこには案の定、彼女の恋人であるウォルターがいた。

彼はの苛々には気にも止めず、ずかずかと部屋に侵入してベッドに近づく。


「ちょっといいか?」

「いや。」

「即決かよ。ちょい、結構大事なことだから起きろっつの。」


そう言って、ウォルターはが咄嗟に頭から被った布団をはがしにかかる。

が、はで布団を剥がされまいと必死に抵抗。


「朝っぱらから大事なことなんて持ち込まないで。」

「朝っぱらって。もう11時だぞ!」

「いーやーだーー」


断固として布団を離そうとしないに、ウォルターは小さくため息をつく。

そして一度手を離して何かを考えたかと思うと、がしっと布団ごとを抱き抱えた。



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