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Short Storys

第1章 背負うもの(Dグレ/ラビ)


そんな二人の顔を覗き込むようにひょいと顔を出した赤。


「婦長、コムイ。どこさ?」


特徴的な語尾で話す彼は、もちろんラビ。

どうやら恋人であるに会おうと救護室を覗くが、目当ての彼女はおらず、部屋の前で立ち尽くしていた二人に声をかけたらしい。


「ラビ!」


いいところに来た、とばかしに彼の肩をコムイががしっと掴む。


「な、何さ?」


あまりの近さに、怪訝そうに顔をしかめるラビ。

対するコムイの表情の必死さに圧されているようだった。


「ラビ、知らないか!?」

「いや、わかんねぇから今オレ聞いたんだろ」

「お前の彼女なんだから居場所ぐらいわかれよ!」

「知るか!てかコムイなんかキャラ違えぞ!」


確かに。

そして恋人だから行き先がわかる、というのはエスパーぐらいの話だ。


「くそー…どこに行ったんだ、は…」


頭を抱えるコムイの悲痛な呟きのあとの少しの沈黙。

と、ラビが何を思い立ったのか、小さく「…あ。」と呟いた。


「え、何!?」

「オレわかったかも!!!!!!」


その呟きにラビの方を見れば、すがすがしいほどにキラキラ目を輝かせていた。


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