第5章 ミッション失敗…？

「ドラケンくん!!どこにいますか!?」



目の前で殴り合いの喧嘩が繰り広げられ、カノトは顔をしかめる。



「(今日、この抗争できっとドラケンくんはキヨマサに殺されてしまう。)」



「おらぁ!!」



殴られた人がこちらに飛ばされてきた。カノトはそれを上手く躱し、ドラケンの姿を探し続ける。



「雨と人で全然見つからない」



私はこの過去でタケミチくんと一緒に


ドラケンくんを守らないといけない



「ドラケンくん!!返事をしてください!!」



もう二度と見たくないの


兄さんの死を!!



「(兄さんが生きてる世界を…)」



絶対に取り戻す────!!!



「勇者チャン、見ィーっけ！」



「！！」



突然現れた半間に警戒する。



「おいおい、そんなに警戒しなくても別に勇者チャンを取って食ったりしねぇよ？」



「(この人…嫌な笑い方をする。)」



「オレが怖いか？」



「！」



「体は震えてンのに目だけは強気なんだよなァ。そういうトコは変わんねぇな」



「どうして僕を知ってるんです？」



「お。勇者チャンからの質問。いいね、特別に教えてやろうか？」



「……………」



「勇者チャンがオレと一緒に来てくれるなら教えてやってもいい」



「は？」



半間の言葉にぽかんと口を開ける。



「な、なんで…貴方となんか…」



「“貴方”とか寂しい言い方すんなよ、悲しくなるじゃんか。なァ…勇者チャン」



半間の手が伸び、ギュッと目を瞑った。その時、半間の横からマイキーの強烈な蹴りが向かって来て、半間はそれを器用に躱し、距離を取った。



「マイキーくん…！」



「…動くなっつったのに」



「…すみません」



「何もされてねぇよな？」



「はい」



マイキーはカノトを守るように半間から隠す。



「もう少しだったのに…邪魔すンなよ、マイキー」



「コイツに触んな」



「話しかけんなっつったり触んなっつったり…独占欲丸出しかよ。なァ勇者チャン！」



「！」



「ソイツのトコよりオレのトコにいた方が絶対勇者チャンの為になるからさ…ソイツ捨ててオレのトコに来いよ」



「っ…………」



恐怖で体が震えた。



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