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紅玉の瞳

第2章 傷負う君も愛す


「煉獄さん!ほのかさんが休めないのでお引き取りをお願いします」

柔らかくいう胡蝶に渋々杏寿郎は立ち上がる

ほのかは俯いたままだ

「ほのか...少しずつでいいからな」

小さく頷いた
それを確認して杏寿郎は部屋を出た
入れ替わりに胡蝶が入ってくる

「ほのかさん?」
「胡蝶さん...」

目を腫らしたほのかが顔を上げる

「煉獄さんに何かキツく言われたんですか?」

ほのかは首を横に振る

ベッドに座りほのかの肩を抱いた

「どうしたんです?」
「...杏寿郎に、嫁に」
「嫁?」
「嫁にきてくれって」

まぁ!と目を丸くする胡蝶

「ほのかさんは望んでいないのですか?」
「私は、杏寿郎をそんな風に見たことがなかったんです」
「そうですか...」
「向き合ってくれって」

胡蝶は自分にはない悩みに頭を捻る

「一度、煉獄さんのことをきちんと見てみるといいですよ」

胡蝶の精一杯の言葉
ほのかは頷いた

「今日は怪我をしたばかりなのでゆっくり休んでください」

抱き寄せた体を離しほのかを横にさせる

静かに胡蝶は部屋を出て行った

廊下を歩いていると杏寿郎が帰ろうとするところだった

「煉獄さん」
「ん?胡蝶か」

杏寿郎は立ち止まり振り向く

「煉獄さん、本気なんですか?ほのかのこと」
「...どういう意味だ」
「私たちはいつ死ぬかわからない。簡単に好きだとか言える立場じゃないです」

胡蝶は優しい口調だが、どこか怒ってるようにも見えた

「いつ死ぬかわからないから、こそだ。悔いを残さぬように今を生きている」
「っ、...煉獄さんは、自分に素直なんですね」

真っ直ぐに答える杏寿郎を胡蝶は羨ましかった

「ほのかがどのような答えをだそうと俺は受け止める」
「たとえほのかさんの気持ちが自分に向けられなくても、ですか?」
「あぁ。それがほのかの出した答えなら」

杏寿郎は蝶屋敷を去った

ほのかは傷の痛みなのか、杏寿郎の言葉でなのか
眠れないでいた

薄く開く瞳は紅いそれを潤ませる

杏寿郎の気持ちに今まで気付くことが出来なかったら自分を愚かだと思った

瞬きをすれば頬を伝う雫
静かに枕を濡らした





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