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ヒプマイ創作BL 帝幻「隠し事」

第5章 友達以上恋人未満~クズな男~


有栖川帝統を家に泊めてから3日がたった。夢野幻太郎はいい加減帰ってほしいと思っていつつも、彼には家がなくましてや一文無し、この状況で自身のことを頼られ嬉しさもある反面多少呆れてもいた。
「帝統、起きてください…朝ですよ」
「ぅ…う~ん」
「まったく、だらしのない顔をして…」
このような光景は幾度ばかり何度見たことか計り知れない。
FringPosseのメンバーとなっていくつ時が通り過ぎたであろうか。良くも悪くも自由人の集まりで寄せ集めのメンバー、だがこんな毎日も悪くない。そして…月日が流れるうちにこのクズの男に惹かれていったのはなぜだろうかと不意に思うのだ。
「ほら、帝統起きてください。朝食が覚めてしまいますよ」
「…ぅ…あ?…おはよう幻太郎」
「まったく、あなたという人は…ほら、早く顔と手を洗ってきてください。朝食出来てますから」
「…おう」
と寝ぼけながらも、洗面台に向かう。
まるで、母親にでもなった気分だとそう思う夢野幻太郎は、さっそうと台所でご飯をよそう

「はあ…うまかった」
「それは僥倖…で、今日もギャンブルをするんですか?」
「は?そんなの当たり前だろ?こちとらギャンブラーだからな」
「そんなに自慢げに言われましてもね…」
と呆れる夢野幻太郎。お金を貸し羽目になるプラスで…負けが込んで自分自身を頼られる始末…、そして3日目が過ぎている。もう夢野幻太郎はあきれるほかなかった。
「大体、毎日負け続けているというのに…よく飽きませんね」
「は?飽きるわけねえだろ!…そんなことより幻太郎…」
「御金なら貸しませんよ」
「そんな…」
やはりこの男はクズである。借金を重ねに重ねるばかりかまた借りようとする。そしてまた…
友人関係とはこういう物なのだろうかなどと思いながら、
有栖川帝統の言葉を待った
「頼む!絶対返すから」
「その言葉、何回聞いたと思っているのですか?もう聞き飽きましたよ」
「そんなこと言わずに…頼む!ダチだろ?」
「ダチとお金を貸すのは全く別です。第一昨日貸したお金はどうしたんですか?」
「…全部…擦っちまった」
「あなたという人は…ここまでくるともはや称賛物ですね」
と嫌味垂れた言葉を放つも有栖川帝統には全く通用もせず
「おう、サンキューな」
「まったくほめていませんからね」
どうしてこのようなクズを気に掛けてしまうのか
自分がよくわからずにいた
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