第7章 ディビジョンコーデバトル(ヒプノシスマイク/全メンバー)
【共通章】
言葉が力を持つ時代━━━━━━━━━━━━━━━
東方天乙統女が政権を握り、支配するようになってから
幾年が過ぎた
相変わらず男たちは領土拡大のため、そしてならず者達を成敗するために日々奮闘していた
ある日、各ディビジョンの代表メンバーの元に中王区から
通達が出され、一行は中王区にある一室に集められていた
「…ったく、中王区の女共は一体何を考えてやがる。今度は何をやらせようってんだ。どれだけ俺たちを見世物にすりゃ気が済むんだ」
到着早々、ヨコハマディビジョンリーダーの左馬刻がブツブツと文句を言っている
「やめなさい、左馬刻。我々に人権なんてものはあって無いような物なんですから。」
同メンバーの銃兎が左馬刻を宥めるが、眉間に皺を寄せているあたり、見世物という点には概ね同意しているのだろう
「む。2人とも、腹が減っているからイラついているのだろう。携帯食のイナゴの佃煮を食べるといい」
そう言って理鶯がポケットに手を突っ込むと
左馬刻は逃げるようにヨコハマディビジョンの山田一郎へ声をかけに行く
「よお、ダボ一郎くん。相変わらずシケたツラしてまちゅねえ?」
ニヤニヤと声をかける左馬刻を前に、弟の二郎と三郎が
反撃を開始する
「兄ちゃんの良さがお前なんかに分かってたまるかよ!」
「いち兄を愚弄するなんて、お前の知能はミジンコ以下か!」
ギャーギャーと騒ぐ弟たちに一郎が口を開く
「お前たち。兄ちゃんを思ってくれる気持ちは嬉しいが、バトル以外でそんな事を言っていいと教えたか?仮にも左馬刻だって年上なんだから口の聞き方に気をつけろ」
「ごめんよ、兄ちゃん…」
「すみませんでした、いち兄…」
叱られて小さくなる2人に「分かればいいんだよ」と笑みを浮かべ
くしゃりと頭を撫でてやると
分かりやすく顔色がぱあっと明るくなる
その姿は、弟というより飼い犬のようであった