第2章 プロローグ
おおよそ一年前、突然メールが届いた。たまにやり取りする程度のアドレスから。
内容は
『何かあったら助けになってあげて』の一文と2枚の画像
一枚目は高校生くらいの女の子。長い黒髪の日本人。
二枚目は同じく高校生くらいの男の子。キリッとした目の日本人。
一枚目の女の子は知らないが、二枚目の男の子はなんとなく知っている。
『日本警察の救世主』『平成のシャーロックホームズ』『東の高校生探偵』等と騒がれている工藤新一。東京とは離れたこの京都にまで噂は届いている。
助けるもなにも工藤新一とは接点はない。東京と京都で住んでいる場所もちがうのに。しいて言えば私が警察官、彼は警察の協力者と言ったところか。
そんなことを思いながら「分かった」と返信をしてもう一度画像を目に焼け付ける。そしてメールを削除する。