• テキストサイズ

【R18】You belong with me 【赤井秀一】

第1章 出逢ってしまったふたり



振り返ると、眼鏡をかけた男の人が立っていた。


髪は少し明るいミルクティーみたいな色
目が細くて、ハイネックにブラウンのジャケットを着ている。
頭、良さそう。

スパイをしていたときの悪い癖だ。
すぐ人を観察して、カテゴリー付をしてしまう。

目が合うと、その人は目を見開いて


「君は…」


と言った。

わたしはこの人を知らない。
けど、もしかしたらわたしがいた組織の…?
だとしたらこんな速攻見つかるのはヤバい


「どこかでお会いしました?」

「…ああ、いえ。人違いでした。
そんなことより、傷、大丈夫です?」

「あ…大丈夫。なんですけど…、あの、もし良ければ救急箱とか貸していただけたり…します?」


薬局で買えばいいのだが、
今貴重な現金を無駄に使いたくない。


「…ええ。いいですよ。家すぐ近くなので」


男は少し考えたと思ったらすぐに首を縦に振り、
行きますよ。 と歩き出した。

どうやらさっきわたしのことを知ってる風だと思ったのは気のせいだったようだ。


「名前、君の名前は?」

「わたし?わたしは…桜井サラです」


つい自分の前の名前を言ってしまう。
まぁ、まだ新しい戸籍がないから、この名前しかないのは仕方ない。


「…サラさん。私は沖矢昴と言います」

「沖矢さん…」


やっぱり聞いたことない名前だ。

考えすぎか。
あの暗黒の世界を飛び出したあと、初めに出会う人がまさか怪しい人なわけない。

そんなことを考えながら到着したのは、
目を見張るほど大きなお屋敷。

こんな家に住んでるなんて、
この人、どっかのお金持ちのボンボン?

そう言いながら、家の門を潜るとき
表札に 工藤 と書かれてるのが見えた。


「工藤?あれ、沖矢さんですよね?」

「ん?ああ。訳あって、知り合いに借り住まいさせていただいているんですよ。さあ、どうぞ」


/ 1733ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp