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月夜の欠片

第12章 好きなもの


「わぁ、本当に甘くて優しい香りがします!美味しい……杏寿郎君、すごく美味しいです。私、杏寿郎君と一緒にいられて本当に幸せです」

杏寿郎はカップを手で包み込みながらポロポロと涙を零すの頬に手で触れ、流れてくる涙を優しく拭い取った。

「俺も本当に幸せだ。が懸命に俺の命を繋いでくれたから、こうして君の笑顔を見て涙を拭ってやれる。お腹の子も君のような強く優しく何事にも懸命な母を持てて幸せだと思っているはずだ。さぁ、アイスクリンが溶けてしまう。笑顔で食べてくれないか?」

幸せな涙はいつまでも流れ続けそうであるが、杏寿郎たっての望みは何がなんでも叶えたいは頬に当ててくれている手に自分の手を重ね、満面の笑みでコテンと恥ずかしげに首を傾げる。

「赤ちゃんは強く優しく、いつでも真っ直ぐに前を向き続ける杏寿郎君をお父さんを持てて幸せだと思っていますよ。改めていただきます」

「……君には敵わないな。さて、俺もパンケーキをいただくとする!ふむ、うまい!、あーんしなさい!」

全てを食べ終わるまで永遠と桃色な空気が2人を包み込み、客や店員が呼吸困難になる1歩手前まできたところで漸く店内の全員がそれから開放された。
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